「どんな〇〇でも似合う」人

今までどんな帽子でも似合う人と、どんな眼鏡でも似合う人と、どんなTシャツでも似合う人にあったことがある。

みんなそれぞれ「あー、これならなんでも似合うんですよねー」くらいのさも当たり前のようにゆる〜いかんじで己のオールマイティな似合い度を受け止めていた。しかしいくらなんでもそんなの羨まし過ぎる。

だってそういう人たちは「帽子屋」や「眼鏡屋」に行けば、「ど、どれなら似合うかな...」とかソワソワすることもないだろうし、買ってから「本当に似合ってるかな...」とソワソワしながら人と会うこともないはずだ。

 

でももっとこの羨ましさをほじくっていくと己の収集欲に行き着く気がした。

例えば、帽子が似合うなら色んな種類の帽子を集めて眺め、さらにそれがコレクションで終わることなく身につけられるし、身につけたことでさらに「...いいな」と鑑賞できるのが良い。コレクションを無駄なく使えるというところが本当に羨ましいなーと思った。

本だと似合うとかそういうのはなく、まあ似合わない本を読んでても「そういうのも読むんだね」というぐらいのものだが着用するものとなると輝きが増すかんじがする。いいなあ。

 

なんかわたしもそういうの欲しい。ちょっと考えてみよう。

・シャツ-比較的メンズのものなら似合う。女性向けのものだと「教育実習生みたいだね」と言われることが多く、不本意だ。

・Tシャツ-学祭のTシャツすらオシャレに着こなす友人がいたのだが、そこと比べてオシャレかというと微妙だ。Tシャツを着た時にオシャレに見えるか、だらけてるかんじに見えるかがかなり重要な気がするのだけど悲しくもわたしは後者だ。

・ワンピース-そもそも小さい人間なのでフリーサイズのものですら裾を引きずって落ち込む。あと女性らしさが際立つものだと「どうしたの?」と聞かれる。どうもしてないよ。

・ズボン-デニム以外はあまり似合わない。テロテロなものなどを着ていると「パジャマ?」と言われる。パジャマじゃないよ。

・アクセサリー-メンズっぽいゴツいものは比較的似合う。ただ途方もなくサイズがデカいと秒で吹っ飛んでいくので悲しい。女の子っぽい華奢なものだとこれもまた「どうしたの?」と言われる。どうもしてないってば。

・メガネ-もともと顔が平坦で丸く、ゆえにオールマイティに眼鏡が似合う顔ではないので眼鏡屋に行くとかなり吟味する。しかも試着しても裸眼なので全然お似合い度がわからん。諦めました。

・帽子-頭が壊滅的にデカい。小学生にしてプール授業の時に大人サイズの水泳帽を選ぶより他なかったので、そもそも入らない。店員さんが見てる前で帽子を試着してみた時におさまりがわるいと気まずい。「あ、あ、ちょっとパカパカしますね...」と濁す。気まずい。

・下着-若干センシティブだが、それゆえ似合うとか似合わないとかわからない。ただ自分の感覚だけで言うなら似合うことを放棄して着心地だけを追求している。どうせならふつうの服とかで似合ってるとかそうでないとかを評価されたいところ。

・靴下-「似合わないね」と言われたことはない。あまり目に入るものでもないから特別なにも言われていない説はある。けれども劣化のスピードを考えると収集するには不向きだ。

・傘-似合う人っているの?いそうだな。ただ、傘が似合うと言われても「それってどういうこと?」ってなるし雨の日しか自信が持てなくなりそう。とりあえず今まで特になにも述べられたことはない。

・靴-The運動!という靴以外はそこそこ似合う。本格的なスニーカーを履いていると「労働用なんだろうな」感があり、絶妙に似合わない。おそらくどうみても運動をしなさそうな見た目だからだと思う。

・髪型-たまにどんなにイメチェンしても「それもありだねぇ」という人がいる。全然それも微妙だ。もうホットペッパービューティーでせめて自分の雰囲気と似たかんじのを選んで店に行かないとだめだし、途中で「あーーー(絶望)まあ...髪って...伸びるし...」となることも全然ある。

 

ア、ア、アア...もう何も無い...助けて!助けて!!!

何も似合わない!!!!なんでですか!?わたしに必ず似合うものがないのですが!!!!

...ふぅ、これは...あれです、世間がわたしに似合わせるものをまだ開発出来てないだけですよ。ねぇ。そうでしょう。待ってるから...