YouTubeでやってる又吉の「渦」っていうコーナーが好きでたまにタラタラ見ている。
それの中で「本を持って出かける習慣をつけたいから玄関に本を置いた」という話があり、それもいいねと思って試してみた結果玄関にも本棚があるみたいなことになっている。
その玄関の本棚をざっくり紹介しようと思う。
(なお、とくにこれによって読書習慣は付くことはなかったのでなんとなく出入りの時にフフンと思える棚作りになっている)

デーン!めっちゃ長野まゆみ。
長野まゆみの「夜啼く鳥は夢を見る(河出文芸)」っていう小説を買ってめちゃくちゃ感動してからフルコンプに勤しんでいる。肝心のそれは貸出中。別にそれ含め中古価格がたいした値段という訳ではないんだけど、だからどの古本屋にも買い取られなくて探しづらい。白青の背表紙の古い河出文芸の文字揃えと長野まゆみの作風がちょうど好きなので他出版社のものとかふつうの河出文庫のものとかもちょっと買ってみたりはしているけど幻想感が足りねえなと思っている。90年代くらいの時期の長野まゆみ最高。何に近いかな、谷山浩子とか辻仁成とかの書く文に近いかな。あとはご本人が敬愛している宮沢賢治もね。夢みたいに微睡みながらキリッと光るなにか(熱帯夜によく冷えた水蜜桃を見つけるとかきらめく卵を見つけるとか夜を割くような水笛の音を聞くとか)を見つけてハッとするもまた微睡みに落ちていくみたいな「なに読まされてたんだろ」という感覚だったりそれでも表現が美しかったりして夢幻というのはこのことかと思う。作品にもよるんだけどね。何種類かあったらちょびちょび見るとそういうのがあるので是非。あと犬に「耳丸」と名付けるセンス好きよ。上段はそんなかんじです。
下段はイーゼル(絵を立てかけるやつ)にかけてあるのは三浦しをんの「天国旅行」です。短編集で、全員死にそう。だがちょっと夢幻なテイストがある。それでいて、このハードカバーは真っ黒なのに文庫版は白いんですよね。対比が美しい。
どうせなので文庫版のデザインも見てね。

良い〜。
とはいえ最初に入ってるお話からもう富士の樹海にそういう目的で入った主人公が知らん人と出会って死に損なうみたいな話なんですけどね。しかしマジカル成分あり。
あとは奥に並んでるのは平沢進の「SP-2」、これは当店に入った時「これを入手するまでは頑張ろう」となんとなく目標にしていた本です。持ってきて下さったお客様には「手放すと再度入手するの難しいですよ!あの、というかわたしが買うのでもし後悔があればご連絡ください」と言って連絡先を渡した覚えがあります。ちょっとこれは震えました。内容としては平沢進という音楽アーティストがタイに行ってニューハーフを見て強い衝撃を受けて彼女らの美しくも血のにじむ生き様を書いたものなんですが重版されていなくてそうするつもりもないそうなので高騰しています。あれですか、あとファンクラブの会報以外では平沢進の文章を見ることがほぼほぼ出来ないので(インタビューとかはちょっとあったりするがそれもまあまあ高い)そういう価値もあるでしょうね。平沢進が彼女らを知ってからしばらくアジア礼賛の曲をめちゃくちゃ作ってもいたのでそれの解釈のための値段と考えてもよい。
次に「心は実験できるか」です。これは多分中学の頃修学旅行で札幌の紀伊国屋に来てウホー!なんでもある!パラダイスやんけ!と思って色々買ってたんですが、レジに行ったらちょうど一冊分予算オーバーで諦めた本です。内容だけざっくり覚えていて、これだなと思って後から買った。現在の倫理観では出来ない実験なんかをして、果たしてそれで心というものを測れるんですかねみたいな内容。今読むと実験そのものの過激さの方がめちゃくちゃ書かれていて題名にそぐうものなのかと思うと微妙ですがどうしても読みたかった本なのでね……
「方舟さくら丸」は北大祭でエス研のフリマに行ったら安部公房あるやんけと思って買ったものの、思い入れのあるスタッフが面接の時にこの本を激推ししていて「部分的にこの人の肉だな」と思って捨てられない本です。
その横にちょっと隠れてあるのが「天使の記号学」という本でこれはわたしにとって難しい本なんですが、一生かけて読むべきものだなと思っている本です。なぜかって、まずわたしは誰にでも平等な天使になりたいと思っていて。神経が過敏なせいで死にそうな人がわかったり病んでる人がわかるんですけど、なんとなくこの身を使い潰してでも救いたい(そんなつもりはないけど上から目線ですね……)と思うんですよね。そして愛のない人にはことごとく冷たくありたい。だからこれを手に取ったんですけど、そんなこと著者にバレていて、「この本を手に取った人は天使になりたいんだろうがこれらの理由から天使とは非現実的なものであって無理である」というのが列挙されているんですよ。
例えば、天使とは神の言葉を人間に伝える透明なパイプ役であって意思を持ってはいけない(あくまで神の遣いなので)。とか人間は天使になろうとする時に己の悪や性欲なんかを異様に気にするが天使ならそれを気にしないとか、そういう。なんか解脱出来そうですね。そもそも主張としてはここは天使になりた〜いとか思う浅ましい人間を振り落として本論である天使とはどんな描かれ方であるかをこれから語るのだろうからまだまだ読めてない。くそ〜。
玄関の本はこんなもんですが、横の雑貨見ますか?

この辺。左のはスタンダードプロダクツの馬毛のブラシです。ほこりとりにちょうどいい。あと、ミカルゲの地域出身なのでミカルゲね。手前のやつなんだったかな。土台が透明でどこに置いてもそこからニュルッと出てきてるみたいでかわいいです。右のカセットテープ(!!)は古道具屋をやってるおじさまから頂いたやつ。ジャケが良いので置いてます。カセットテープ聴く設備がないけど、これの中では詩人オウムの世界が好きです。筋肉少女帯全体だと釈迦と機械と孤島の鬼とサンフランシスコが好き。
手前のランプは豆電池死んでるけど入れ替えたら点灯します。前職で年1回画材やクラフト系のメーカーが国際展示場で開催している「弊社の今年の新商品や試作品はこれ!買えもします!」みたいなイベントに出張で行けて、そこを(その時の)弊社の別の店舗の社員と見回っていてミニチュア売ってる「すぃーとあっぷるぱい」というお店のブースがあったんですがそこにちゃんと点灯するし、ちゃんと金属で出来てるこれらがシリーズで置いてあって、その別の店舗の人と息を飲んで「あの、これ、あの、本当に弊社と関係ないけど自分のお金で買う分にはいいんですよね……?」ってなってお互いひっそりこっそり選んで買ったという思い出があります。ていうか電池入れ替えられるの本当に凄いよ。
ちなみにこれらの雑貨の下にある細々とした引き出しもエス研で50円で買ったやつです。調味料入れらしくて引き出しをひくと引き出しの部分がこう…ビンの蓋になっていて…キュポッと抜くと振りかけられます。調味料っていうかスパイスホルダーみたいなことなんでしょうね。木がこっくりと茶色くて鉄の取っ手もまたかわいいのでスパイスなんてカルダモンくらいしか使わないですがかわいいのでいいかと思って飾っています。奇妙な本棚によく合っていると思う。
本棚の右下にギュムギュムに入っているのはレジャーシートです。欲しい時にどこだっけとなるやつ。1人用のやつとかミッフィーのご機嫌なやつとかがある。悲しい未使用品。
黒電話は今の電話のジャックに刺さるようにしてあるのを筋肉少女帯のカセットテープもらったおじさまから買いました。この方が本当に凄くてね、ファミコンとかも今のテレビに刺さるように端子を改造したやつを買わせてもらっています。死ぬほどゲームカセットをオマケにつけてもらった。摩訶摩訶はおじさまが挫折した先まで攻略したので報告したら大変お喜びいただいて、こういう世界は優しいなと思う。
このおじさまのお店は確か最初入った時に「ゲ!ほとんどのもの値段貼ってないやんけ!」と思いながらごちゃついた店内を見て、店主さんも睨んでいるぞと思っておずおず小さいコップを「おいくらですか」と聞いたら「それはー…んー…500円!なに、そういうかわいらしいものが好きなのかい」くらいのかんじから仲良くなったな。やがて外でタバコ吸ったりCD借りたり一緒にスーファミのソフト拭いたり友達連れてって「この子の知り合いならこの値段でいいよ!」みたいになって田舎のおじさんの雰囲気(北海道の田舎はこういうちょっと怒ってんのかなみたいなシャイというか不器用な店主さんが多い、が情は厚い)があり人は選ぶけどあって欲しい店だなあと思っている。これ店の名前出していいのかなあ。まあ……「スマイル 札幌店」で検索検索ゥ〜。仲良しメーター0値から自己開示で仲良くなれるぞ!あとふつうにこの方から学ぶものが多いです。わりとわたしの接客での裏表の持ち方とかリピーターになりそうな接客の仕方とかはこの方から学んだところがあるし、ものの見方や交渉の仕方もこの方由来かもしれん。今の店(書店)は良くも悪くも放任なので1番上は育てないからこういうところからも学びを得ている。実家(ミカルゲ地方)に、価値はあるがとても憎きものがあってそれを忌々しい顔でおじさまの店に買取に出した時に「旅費かかったでしょ。足しにしな」って多めに査定額出してくれて、そういう優しさを捨てきれないところもこのおじさまのいいところなんだよな〜。参照すべき天使かも。
あと左手前は眼科で目を洗ったりする専用のボウルです。ちょっとしたものを入れておくとかに良い。買った通販サイトでは「釣り銭トレーにも」と書いてあって確かに便利そうだと思った。これは山田文具店という東京のちょっと入り組んだところの入ってもいいのかなみたいな古いタイル張りのビルに入ってる文具屋さんのものです。文具として使える変なものもあるのでこちらも是非。
上の段の奥にあるやつはそんなに語るほどでもないですが、ハートの小さい団扇みたいなやつは奈良のお寺さんで頂いたものです。絵馬みたいに裏に願い事を書いておさめるらしい。真夏の奈良で(37℃というありえない気温)グラグラ揺らぐ視界の中なんとかたどり着いたお寺さんで手に入れたんですが、行きしなに一軒二軒茶屋があるくらいであとはだるだると流れる川の縁を歩いていたら下校途中の高校生がキャッキャと通り過ぎて行きマジかよとおもいました。その後ろのガチ団扇はそこに至るまでにどうにか仰いで涼感を得るために買ったんですがなんの意味もなかった。今年の夏にでも使いますか……
こんなもんでしょうか。長くなりましたし、本よりも雑貨の方が長い!ウーン!良くないね!
あ、紹介してないけどあるやつはいただき物なのでここで語るのも無粋かなと思って黙っています。気になるものあれば聞いてください。