夏の麺と水

コンビニで買ったそうめんにほぐし水をかけるのは儀式みたいなものだと思う。

例えばコンビニそうめんの容器にねるねるねるねの水入れる三角パーツみたいのがついていて、「端を切り取って麺に3杯程度の水道水をかけてお召し上がりください」となっていると妙に良さがなくなる。

ほぐし水などパウチされた水道水なのだが、パウチされた水というのを見ることがないので「さすがにパウチされているならなんかちょっと水道水より良いんじゃないの?」という意識が拭い去れない。

それにパウチされた水が夏の陽に当たると小さなプールのようにキラキラしてきれい。それもいい。

実際あの量のほぐし水では麺全てがいいかんじになったりしない。7割マシになるくらいの雰囲気で、ゴムみたいにブヨンブヨンベロンベロンしているのを無理やりちぎり取って麺つゆでふやかす。なので最悪ほぐし水がなくても麺つゆでなんとかなる。

そんな僅かな必要性を持っている「ほぐし水」。その脆弱さが多分好きなんだと思う。

 

それとは別にセコマに売ってる予めプラカップに1~2玉くらいの麺と汁がぶち込まれた風情もクソもない麺シリーズも好きなんだけどね。いつでも在庫があって冷えてて味が濃くて美味いのであれは夏を感じる頓服薬みたいなものだと思っている。