皆さま古本屋って行ったことありますか?
弘〇堂さんとか、南〇堂さんとか、北〇堂さんとか、B〇OKLABO.(伏字とは…)さんとか。当店の近くだと大きいところはそんな感じでしょうか。
お住まいの近くだとB〇OKOFFさんがあるよという方も多いでしょう。
皆さんどんなコンディションの古本を選ぶのかというのが結構様々なんですよ。
ページがめくれればいいのでどんなにヤケて水濡れしていて書き込みがあっても良い!という方だったり、できれば新品同様でほとんど使ってないツルツルの本が良い!という方。極端な例えだとそのくらい差があります。
その中でも人によって「ここまでは許せる」という範囲はグラデーションしているのでなにかの折に話し合ってみると面白いですよ。
どちらかというとわたしは内容が気に入ればヤケや傷があっても結構気にならない派なので家の本棚が全体的に本のヤケで茶色く見えます 笑
あとアンティークなものとかレトロなものが好きなこともあるでしょうね。もともとそういった人の息遣いを感じられる古物が好きなんです。
なので店頭の買取では絶版の書物なんかをウキウキで買い取ることが多いです。古いものってヤケやシミのあるその姿に経年を写しているかんじがしてそれがちょっとした化石みたいでいいんですよね…
それでいうと最近当店では手塚治虫にまつわるものの入荷が多いのですが、今の店頭ラインナップにある手塚治虫にまつわる本が古いものから新しいものからほとんどひとりの方からの買取品なのですよ。
プライバシーを大切にしたいのであまり言わないですがもの凄いコレクターの方です。この方のことを敬意を持った形で「オタクのあるべき姿だな」と思っています。はっきり言ってこんなにも情熱を持って蒐集している方は他に見ないです。
手塚治虫にまつわるものを全て網羅していらっしゃるので集めているものは本だけではないのでしょうが、そんなごくわずかな部分を見せて頂いただけで驚きます。
例えばたったの一文寄稿している雑誌であったり、手塚治虫を論じている本であったり。そういうものは今ならネットで「今月この雑誌に寄稿しました!よろしくお願いします!」と作者自ら宣伝してくれるので比較的集めるのは簡単なことかもしれませんがインターネットなどろくに発達していなかった時代にそれらを集めていらっしゃった訳ですよ。一体どうやって見つけていたんでしょうか…。多くを語らない方なのでもうひたすらに謎なんですよね。
今思い返してみたら研究室の蔵書かそれを越えるくらいの量の買取だった気がします。
このような蒐集家にお会い出来ることは本当に喜ばしいことで、ひたすら感動の鳥肌を立てながら買取をしています。物を集めるのが好きな人間として敬意をはらって接したくなる方です。本当に。
蔵書の整理がしたいと仰っていたので、いつか整理がひと段落ついたらさようならするタイミングが来ると思いますが実は結構寂しいです。またどこかでお会い出来たら嬉しいなあ。
ここではこのひとりの方を紹介しましたが、実は古本にはそんな背景を持った本も結構あるんです。
なので新品を買った時とは違うそういった奥行きも経年感や使用感を見ながらそっと想像して楽しんで頂けたらなあと個人的には思っていたりします。もちろん著者の方が新刊出してたらそっちを買って応援してあげるのも大事!ケースバイケースよ!
取り留めがなくなってしまいましたが、皆さま良き読書ライフを!