逃げ水

職場は猫が好き勝手歩き回る古本屋で、ジブ〇みたいで素敵じゃん!と思うかもしれないがジブ〇だって365日素敵なわけじゃなくて素敵な数日間を切り取っているのだ。

そう考えるとまあまあジブ〇なのかもしれない。

それでも人間関係に困ったり、

まじかよ!みたいな人が来店してヒリついたり、

愛想笑いをするときがある。

なんか、そんなことに疲れてしまった。

どんな職場でもあることだけれど。

 

そんなとき幸運にも大阪在住の友人と旅行先が大阪の友人がいたので半々で会うことにした。

 

最初に会ったのは大阪在住の友人で大阪に住む前はやたらと「G」に怯えていた。

「で、Gには会えたの」と聞くとまだ遭遇していないらしい。

その友人にはGとは架空の存在で、信じる人には見えるし、信じていない人には見えない幻獣なんだよと言っておいた。

実は京都駅の地下通路のド真ん中で一足早くGを見かけたのは秘密にしておこう。

 

次に会ったのは大阪旅行の計画が重なったため会おうと思っていた友人で、

旅の途中でカバンからまろび出た饅頭を「出ちゃったからあげる」と照れくさそうに渡してきた。あんこ95%くらいの薄皮饅頭で実はそんなにあんこが好きではないわたしは薬のように口へ放って無難な礼を述べた。

人生においてあんこはとんでもない邪悪だなと思っていたが少し認識がマシになってきた感がある。まだ味わうには遠いが。

 

わたしはなにをしても「ああーだめだー」という人間なので、こんな毒にはなろうが薬にはならぬ人間とふたりともそもそもよく会う気になってくれたなあと思う。

 

ところで大阪から帰ってきて本日が初めての出勤なのだが、職場へのお土産を全然買っていなくて爆笑してしまった。

まあ別にいいんじゃないの。人生長いし。