ぎりぎり旅行

わたしは旅行に行くのが結構好きだ。
けども結構嫌いでもある。

 

旅行嫌いな理由が方向音痴が過ぎるからだ。本当にどうしようもない。
ひとりで旅行する分にはこの強烈な嫌悪を自分の時間をひたすら浪費したり無駄な交通費(確信を得て通った改札や列車があさっての方向に行ったりする)をかけたりしてこの度重なる懲役のようなものを味わっている。しかしそれによって地元の人しか来ないような商店街に着いてしまってなんか楽しかったなみたいなこともある。帰ってから地図で確認してもそれらしいところが見当たらないのでもしかしたらパラレルワールドなのかもねと思っている。

 

まあしかし基本はあんまり楽しくない。どこにいるであれ迷っている時間が楽しい奴はいない。
そしてわたしは旅先での小さな感動をすぐ口に出してしまうんだけどひとりでいるとひたすら変な人である。あと、誰かといるとたまに口から出た小さな感動が同じことがあってその瞬間死んでもいいなというくらいの感動がある。

 

それなら誰かと旅行に行けばいいじゃんと思うが、それもそれで快諾はしつつ結構しぶしぶ旅行を共にする。
友人と一緒の旅行は楽しい。
しかし旅の経路案内やスケジュールのほとんどを管理出来ず友人に任せてしまうのでかなり申し訳が無い。脳みそが地理や時間の管理についてもう「無理です」って言っている。そして旅を共にする友人に負荷がかかっていることもとてもすごくよくわかる。
これについて本当に困りすぎてレンタルおじさんとかそういうサービスを利用してみようかとも思うんだが、見知らぬ地で待ち構えているあんまり知らないおじさんとどういうテンションで旅行していいのかわからない。知らないおじさんの前で ぺぽぉ〜 とか ふにゅ〜 とか言えない。
かと言ってツアーに参加したら、時間守れないし奇声あげてるやっべぇ奴が参加していることになるのでそれも避けたい。わたし以外のツアー参加者が楽しめなくなるのは嫌だし。

各種障害なのかもしれんなと思いつつ、これを穏便に解決できる手段があればいいのにと思う。

 

今のところ友人に旅先で合流出来なくてブチ切れられたり、出張で集合時間に着けなくて上司にブチ切れられたりしているがギリギリセーフだと思って生きている。
人生ってギリギリセーフなことばっかりだな。両方の意味でそう思ってるのは自分だけだと思うけど。

そんなことを思いながら飛行機出発時間6分前にお土産を買った。ハラハラしながら搭乗口に着いたら全然大丈夫だった。こういう良くない成功体験を人間は積むべきではない。
よい子はこういうことはやめましょうね。