ビジホの白々しさが好きだ。
お前の家はここではないぞ、というさっぱりとした室内とくたくただけど規則的にまとまったコードやガウン。景観を楽しむとかいうかんじではない窓の外の灰色のビル群。
こういう「お前の居場所はここではないが好きにいてもいいよ」という無機質な優しさがどうにも好きである。
そんな中で おっケトルに水垢あるな とか なんか知らん焼け焦げた跡あるな とかそういう誰かが確かにいた跡を探してしまう。
全てが完璧だと ケッつまらんな と思う。なにかあってほしい。
旅行の時はそれはそれでそのビジホの近くの地元系スーパー(ライフとか行きたいよね…)で見たことない飲み物や食べ物やおやつを沢山買ってきて地方局のテレビを見ながら食べる。
なんとなくちょっとだけその旅行先の知らない街に慣れてみたくて同じところに連泊して「ここはここから曲がればいいんだっけね」とか慣れた風にしながら縄張りを広げるのも良い。
果たしてビジホそのものが好きなのか、旅行先にあるセーブポイントとしてのビジホが好きなのか確かめたくなって本日市内のビジホに泊まってみている。ここは別に一歩外に出れば見慣れた景色でさして時間もかからず家に帰れるところのビジホだ。
しかし、良い……
なぜかめっちゃテレビを見てしまう。
そういえば奈良でビジホに泊まった時も深夜のテレビをメモ取りながら見てたな。なぜかビジホハイになるとめっちゃテレビを見るようだ。奈良でメモ取りながら見てたやつは確かパール判事の国際軍事裁判が是か非かみたいな内容だった。見たの何年も前なのに覚えてるのなんだかウケますね。
いやー良いな。
今は山にぽつんと住んでる人が何をして過ごしているかのテレビをみている。森林工学を学んでいた人が何十年後に見よう見まねで家を作ったりしているやつ。森林工学って学ぶ人によっては炭を作ったり家を建てたりできるの凄いなと思う。いいな…
なんだかわたしはビジホにいると感受性が豊かになるみたいですね。うふふ。
皆様もゴールデンウィークに旅行行けるほどヒマじゃないよ!とか勉強せねばならんよ!という方は近場のビジホ行ってみてはどうでしょう。
枕が変わると寝れないよ!という人も近場のビジホならお気に入りのおやすみアイテム持っていけるしいいよ。
わたしはビジホに籠るためにドチャクソに小説を買い込んできたので、明日はこのまま部屋で感受性が強いままひたすら本を読もうと思います。