森博嗣の「少し変わった子、あります」をどうしても読んでほしいというプレゼン

森博嗣の「少し変わった子、あります」を読んだことがあるだろうか。

ちなみに当店には在庫がないよ。ないのにおすすめなんです。読んでほしいんです。なのでプレゼンします。

 

森博嗣作品の中ではがっつりファンタジーに傾倒したものでもなければ、しぬほどミステリに傾倒したものでもない。というかそもそも本屋で「森博嗣」のコーナー見たことあります?

わたしは仕事中にみたことしかなくて、表紙はアーティスティックで大抵2cmくらいの厚みがある本が多いなァという印象と薄いやつでも学歴の暴力を感じるエッセイしかないなァと思っていた。

そんで、1cmくらいで文庫としては薄くて「幻想」の文字があったのでホェ〜読めそ〜と思ってなんとなく積読ラインナップに潜ませていたのだった。

 

で、こないだやっと読んだんですよ。

ミステリ作家の書く幻想ってどんなものですかいなと思ってさ。

かる〜く内容説明しますね。

 

これは大学の教授連中のお話です。

「きみにおすすめしたい料亭があるんだ」と主人公がある教授に言われまして。しかもそれを話半分で聞いていたら、ある日その話してくれた教授が失踪してしまうんです。

なんか手がかりないもんかと思った主人公が「そういやしきりに料亭をすすめられたな」と思い出してその料亭とやらに電話してみるんです。

そしたら「○○先生から伺っております。△△先生ですね。」と妙にスムーズに話が進む。しかも住所とか伝えてないのに車まで手配されている。一応店の名前を聞いてみるんだけど、「名前は無いです」と女将にかわされてヤバいかほりがやや漂いつつ。

で、実際行ってみるんだけども良くも悪くも料理の味は特筆するほど美味しいわけでもなく、「特別」なメニューがあるらしく○○先生も注文していたというそれを注文するんです。

そしたら奥から知らない女の子が出てきて、その子と飯を食うことになるんです。しかし「そういうお店」ということはなく、こちらからなにか尋ねない限り口を開かないし容姿もよくいるような目を閉じたら忘れてしまうくらいふつうの子で。まあしかし料理を食べる手つきはきれいだった。

それで主人公は自分と女の子合わせて2膳分の金を払うことにはなるんだけど、主人公の初回の感想としては「なんなんだ?こんなものに金を払っていたのか?」みたいな感想になる。そらそうよね。

で、またある日、それを利用してみようかなという気になってなんとなしに電話をしてみるとまた車が手配されて違う店に向かうのです。そこにいつもの女将がおり、また「特別」なメニューを頼んでみると前回とは違うテイストの女の子が出てきてガチャみたいな気持ちになる。しかしやはり料理を食べる手つきはきれい。

ゆうてこの料亭のサービスにハマってしまった主人公は失踪した知り合いの情報そっちのけで何回も何回も色んな女の子と食事をして「見事だな……!」と思ったり「そんなだったな」とか思ったりしつつ通いつめる。

こんな普通ではない謎の料亭に通いつめたらどうなるんだろうかヤバかろうよ、という話。というか知り合いはどうなっとるん?みたいなね。

 

ウウーーーー!!!オチを言いたい!!!

オチに好き嫌いがかなりあるだろうけどわたしは好きです。

オチもさることながら、色んな女の子が出てくるのでこれを読んだ人に推しを聞きたいっすね。

わたしは物静かなボーイッシュ女子が良かった……ッス。あと、主婦ね。

 

一歩間違えればパパ活の「茶飯(肉体関係はなくお茶かご飯だけでお金を得るやつ)」と言われるようなものを再現してるようだなと思いつつ、それよりもどこか無機質でその辺があくまで幻想的たる所以かなぁと思いました。

文章も難しくなく、2時間くらいで読めるので本当に読んで欲しい。そんで語り合いたい。よろしくお願いします。