傷を抉る曲たち

基本的に音楽の趣味が合う人と交際することが多い

そうでない人もいるが、ほかの趣味が共通していたとしてもなにかと距離を感じやすいなあと思っている

そこそこの年齢なので出会いと別れを繰り返し今は凪、というかんじだ。

しかし凪ですよという顔で世間をほっつき歩いていると急にUSENで雑に流してある曲で腹部を抉るように刺されて記憶を蘇らされる(北海道弁の新しい受け身言葉ですね)ことが度々ある。

 

▧「今日も雨」倉橋ヨエコ

倉橋ヨエコを知っている人で男性って特に会ったことがない。

基本的に倉橋ヨエコの曲は「ズルズル不幸に引っ張られてるけど幸福だと思おう!それが身の丈に合っているしこの幸せが自分の最大値!その為なら不幸はドブに捨てて見なかったことにする!」みたいなラブソングが多いので倉橋ヨエコを本格的に聞く鬱々としたメンズはBUMP OF CHICKENとかSyrup16gとかミドリカワ書房とかを聞き始めるのであまり倉橋ヨエコで留まって聞き続けていることは稀だと思う。

グズグズに酔ってカラオケでメンヘラ男子に「酔ってるからさァ!相手が知らねえよそれって思う曲歌おうよ!」という場面でこの曲が出てきて「ア!知ってる!合唱しようぜ!」ってなっ……やめましょう、この話は。

 

▧「だいすき」岡村靖幸

まず、岡村靖幸を知っている人や曲が流れている場面が少なすぎるので一番メジャーな曲を紹介するとスペースダンディという深夜アニメでやっていた「ビバナミダ」が諸兄には一番馴染み深いと思う。

到底てめぇでは守れる力がなさそうなのに「君を守れるのは僕だけだから僕に頼って」みたいなフレーズと倒錯したフェチがおじさんの舌っ足らずな口調によって練り上げられるキショキショ音楽です(褒めてる)。

あと時々薬物で捕まっている。今は捕まってないけどファンは事ある毎にハラハラしている模様。

「だいすき」のPVは靖幸の全盛期ってここなんだなと思わせるほどに非常に顔がいい。一時期キムタクファンも靖幸いいじゃんとなっていたくらい(でも根がキショキショだからね)。

そんで海辺のドライブにも曲調がちょうどいいんですよね。

……やめましょう、この話は。

 

▧「BABYBABY」銀杏BOYZ

恋愛最強!俺は一生お前を愛す!みたいな曲。音楽にある程度精通している人であれば大体ご存知ゆえにUSENで不意に流れて脇腹を刺される曲。

3B(察してくれ)と交際していた時に夜中に「これから演奏しま〜す」と電話越しのクソみたいな音質で披露された曲。この人との恋愛においてこんなに純粋な愛を感じたことは無……やめましょう、この話は。

 

▧「カプチーノともさかりえ

椎名林檎が作詞作曲してともさかりえに提供した曲。椎名林檎は「少女ロボット」「いけない子」と共にこの曲を提供している。この頃のともさかりえ摂食障害によりゴリッゴリに痩せていて、痛々しくも綺麗でなんとも言えない気持ちになる。

カプチーノは歳下の女の子が歳上の大人っぽい男性を想い、どうやっても傍に並べるほど成長出来ないけど離さないでねというような内容のもので可愛げの塊みたいな曲です。ともさかりえが歌うと無垢で透明なかんじだし、椎名林檎のカバーだといたずらっぽくて冗談っぽく言うけど本当に一緒にいてほしいんだよっていうかんじでいいです。両方良い。

なお、この曲が好きというどころか知ってるという人にひとりしか出会ったことがなく……やめましょう、この話は。

 

▧「ふたりごとRADWIMPS

この曲自体は全然悪くはない。永遠の愛を誓う系のやつだ。でも歌う奴は決してそうとは限らない。

いいか、RADWIMPSが好きな男はかなりヤバい。以上だ。

なおこのような男にほだされて病んだら「五月の蝿」を聴くといい。恨みの力でしばらく生きられます。

 

▧「夜汽車は走る」indigo la End

川谷絵音の書く女目線の曲を好む男はでっけぇ地雷だ。以上。

 

こんなもんだろうか。

久しぶりに銀杏BOYZで抉られて オ…オ… となったので磔刑にすべく記してみた。それぞれの曲はいい曲なので感情のノイズが走らないならば聞くべきだと思う。保身のために自分が一番好きなアーティストの曲を好む男とは交際しない方がいいとおもいます。二番目三番目のアーティストを好む人と交際しましょう。これが人生の教訓です。

ポケットにシュルレアリスムを

マジでどうでもいい事なんですが中学の美術部で「コラージュ」をやった時に爆裂にカッターの使い方をマスターしてその時の技術だけで高文連を舐めプしていたことがある。

なんか、中学の時にやったコラージュはそれほどの魔力を持つほど面白かったのだ。

そもそものコラージュというのは印刷された紙や好きなシールを好きなだけ面(キャンバスとかノートのページ)に貼り付けて自分が完成したなと思ったらそれで完成といったようなものなのだけど、部活ではそれすら説明されずに美術室にある古い教材のカタログだったり、100均に置いてある通販カタログとか各家庭にポスティングされるチラシなんかが雑多に出されて「好きに切って貼ってね」くらいの説明しか受けなかった。

そのため通販カタログから面白い画像を綺麗に切ってネタ大喜利を完成させるという方向に振り切ることしか出来なかった。

限られし資源である通販カタログのお歳暮から豪華な魚を切り取って別ページにいたお姉さんの足をくっつけて魚人間をつくったり、「通気性抜群の」という文字と「海鮮」という文字をつなげたり、なんかそういうのを作っていた。盆と正月がいっぺんに来たみたいなやつをよく作っていた記憶がある。シュルレアリスムみたいな。なんたってあたしゃマグリットが一番好きだからね。

 

そして時は流れてコラージュという言葉がちょっと時間をかけてしか思い出せなくなった頃に画材屋で労働しはじめた。その時の上司が王道のコラージュが好きで英字新聞をビリッと破いたやつにアンティークなお花や誰なのかよくわからん貴族のシールやレースペーパーや真鍮の鍵なんかをつけて作るコラージュを手早くパッパッと作っていた。

で、まぁ、業務としてそれを作るわけだからそれにならってメッセージ性皆無なそれ(わたしは王道コラージュにメッセージ性を感じなかった)を真似て作ってサンプル品として出してそこそこの評価を得たりした。おしゃれのプロトタイプってこれなんだ〜くらいのやつで、中学の時にやったコラージュとは何故か全く繋がらなかった。

この頃のコラージュは「海外の色んな謎のステッカーがぺたぺた貼られた小包」みたいなコラージュでした。今思うと小包もちょっとしたコラージュですね。

 

そんでまた月日は流れて本日ですがシール収集が好きなのでジャンルとしてコラージュのお買い物報告動画を見ることがまあまああって、見ていたらかつて美術部でやっていたシュルレアリスム的なコラージュをしている人がいて「ア!なぜ忘れていた!?やりたかったコラージュってこれじゃん!」と思い出した。

折角なので見てください。こういうのこういうの。

https://youtu.be/iyoZOyk12_s?si=9Le-Z1LmZf4SfD27

このノートの表紙がまたいいですよね。

 

これを書きながら思い出したけど現職場のレジに小さい掲示板があってレタスを綺麗に切り取ってくっつけたのが最新のコラージュだな。実写のレタスの右下にちゃんと「レタス」と明朝体で書いてあるのもくっつけた。ちょっとキャベツなのかレタスなのかわからないレタスだったからね。

レジにレタスが設置してある面白さを感じて欲しくてそのままにしてあったけど、誰も良さをわかってくれなかったのでしかるべき機関に相談させて頂きます。

※「然るべき機関に相談させて頂きます」とは、一般的には法的に良くないことがなされていると感じた場のことについて第三者に正しさを伺うということである。しかしこの場合は「評価される場所で披露します」くらいの意味と捉えてください。

 

カタログやチラシで作るタイプのコラージュねぇ、面白いですよ。低コストだし。

ハサミやカッターの最低限の使い方は問われるけども画才は関係ないので文章の大喜利に走ったり「このポージングはこのページでしか許されないんだな(そのページから切り離した時点ですでにポーズが面白い)」とか、それらを組み合わせて面白人間大集合にしたりしてたら時間が溶けます。年末年始のどうしても暇な時に良いです。

ちなみにおすすめはニッセンのカタログです。ページ数があって、お歳暮とかキッチン用品や勉強机なんかもありつつ年齢・性別を網羅したアパレルとかもあるので一冊で楽しめます。

 

今思い出して良かったなァと思ったのが、中学の頃には存在しなかった100均で買えるコラージュ用の糊っていうのがあるんですよ。画材屋の頃に知ったんですけども。これを使うと何がいいのかというと箱や布に直接貼れるんです、自分のシュルレアリスムを。チキってしまうなら直接貼らずとも痛バみたいに半分が透明になってるポーチやスマホケースに仕込むのもありですよね。シュルレアリスムを。

それにしか使わんシール

「それにしか使わんやろ」というシールってありますよね。

例えばシールで「DHAが豊富!」とか「糖度が高い!」とか栄養価の良さをアピールするやつ。サンマのパックにしか「DHAが豊富!」ってシールが貼られていないと、その横にある鮭の切り身やカレイはどうなんです?となる。別にそれらにもDHAが含まれていないとか少ないとかはないんだろうと思うけど、なんか心細くなって「DHAが豊富!」のサンマを買ってしまうよね。悔しいよ。こんな風に企業戦略に踊らされるのは。

あー、あと「秋の味覚」「夏の風物詩」「春の行楽に」みたいな幅広くどれにでも使えるだろうけど、その時期にしか使えないやつ。季節の終わりには急いでストック分を貼りまくるんだろうか。それか来年の季節初めに去年からあるくたびれた風物詩シールを使うんかな。ところで四季を揃えようと思ったけど冬バージョンが全然思いつかない。「家族の団欒に」みたいなやつかもしれん。もはや北海道の人あまりにも冬に良いイメージ無い説がある。

他にも「担当者のおすすめ!」「店長のおすすめ!」「スタッフ愛用!」などの本当ォ〜?貼っときゃいいと思ってない?みたいなマジ度のわからないやつ。POPとかでもあるね、あれは。担当者や店長が直接貼ってたりしないと信用に値しないと思っている。あ、おすすめおばさんとしてサラッと話しておくと当店でわたしが書いたおすすめPOPは「自分が読んで良かったやつ」「わたしは読めないけど読めなくて悔しいと思うくらいには良いやつ」のどちらかです。多分書いてる文字の雰囲気でわかる人はわかると思う。

あと忘れてはならないのがりんごやバナナに1枚ずつ貼ってあるキラッとした金色の箔に産地が書いてあってダイカット(型抜きっていう風味の意味ですな)になってるやつ。バナナに貼ってあるとさ、その房の中でシール貼ってあるやつが一番優れているような気持ちになるよね。なんならシールあるから剥きづらかったりするけど一番イケてるからやはりシール付きのやつをもぎりとるよ、あたしゃア。

 

しかし、あまりにニッチなシールが多いので

そんなのシールにする意味あるんか……?

貼り剥がしの必要なくない?

シールにせずパッケージに印刷するのは意に反するんか?どうなの?

シール貼りマシーンがあるのか、それとも人力でペタリ…ペタリ…と貼ったりしているのだろうか?とか思うよね。たまに派遣っぽい求人で「シールを貼るだけの簡単な作業です」みたいのあるけどそういうシール貼りと考えていいんだろうか。

こちとらシール式になってる配送伝票を延々と貼るとか、化粧品のボトルに斜めらないようにデカシールを貼るとかそういうやつをやりたい訳ではないんだ。なんかスーパーの裏方とかの方が出来そうな気がするな。

 

とにかくそういうニッチな「それにしか使わんやろシール」が狂おしいほど好きだ。

もともと業務用品が好きで通販で「毎度ありがとうございます🐘」っていう黄色いセロハンテープを取り寄せたり、りんごにしか貼らない「りんご」とだけ書いたシールを取り寄せたりしている。友人が肉屋にいた時に「黒カルビ」の業務用シールももらったな。懐かし〜。

 

願わくば自分のシールも作りたいところだ。

「私が選びました(ワイのドヤ顔入り生産者風シール)」みたいなやつを作って色んな手土産に添付したい。

 

とりあえず今日の素晴らしいシールを貼っておくね。こないだデパートで買ったアップル&シナモン味のサブレについていたよ。サブレそのものは車の轍みたいなワイルド感ある見た目と味でした。マジで見た目が車の轍なので誰か食べてみてくれ。

あ、シールの話です。シール。こうやってわざわざシールとして添付されているということはいつかこの轍サブレを推奨しなくなって他のを推奨し始めた時に剥がすイベントがあるんだろうか。

そんで各国の言葉で「ベルギー大使館 推奨」のシールがあるんだろうね。なんかこう、この轍サブレが一定量日本への輸出が決まった時に「これ日本の分ね〜、このシールここら辺に貼ってね〜」っていうそういうやつがあるんだろうね。

そんでさそんでさ、多分どの国のだか分からなくなった轍サブレのシールを別に各国語がわかるわけでもない現場経験の長い人が見て「あー、、それは中国語じゃないね。中国語は意外ともっと簡素なかんじ。これ日本、わかるよ、わたしくらいになると。読めないけどね。」ってなるんだろうね。で、別にそれで間違ってて日本に着いてから「韓国語のシールのが来てます…返品お願いします」ってなったりするんだろうね。いいね。そういうわかってんだかわかってないんだかというのが好きだよわたしァ。

とにかくわたしはこのベルギー大使館シールが綺麗に剥がせた以上、どこかに貼りたくてたまらない。「ベルギーは関係ないやろ!」みたいなものに貼りたいところだね。ベルギーか。チョコのイメージしかないな。ベルギーってどこ?上の方?(都道府県の数すら曖昧な驚きの人間なので海外を知る由はない。半分くらいは海外の地は空想上のものだと思っている。)

 

とにかく近日中に「それにしか使わんシール」を一時保存する為のシール帳を買うことにする。これ系のシール本格的に集めようかな。

皆さんも「それにしか使わんシール」を集めてわたしに自慢してくださいね。「悔しい〜〜〜!!ギエーーーーッ!!!!(最高)(羨ましい)(センスがある)」となるので。

なお、集めている枚数が多かったりあまりにも「それにしか使わんだろ」というものはかなりの加点があります。よろしくお願いします。

三房の葡萄

久しぶりにぶどうを食べた。

かつてぶどうを食べた記憶というのは小学生の頃だった。祖母が買ってきたぶどうに「これ美味しいね」と言ったら爆裂に買ってくるようになったので最初こそ美味しく食べていたものの後半はなかば作業のように有難みもなくプチプチと口に運んでいた。

なんていう品種だったか、かなり小粒で種がなく紫色のぶどうだった。

しばらくしてアメリカンチェリーを買ってくるようになり、「これも美味しいね」と食べ始めてから祖母が買ってくる果物がアメリカンチェリーに変わり、やがて苺になった。思い入れもなく食べるのだから別にどの果物でもいいかなというくらいのなんとも残念な子供であった。

 

昨日偶然のご縁があって、ぶどうを3房もらった。棚ぼたのような頂き方だった。

「ぶどうを食べる」と脳みそに指示を出すのが小学生ぶりだったので、それで祖母のことを思い出した。

この度貰ったのは粒がデカくてあの頃のぶどうとは全然違うものだったが遠くにあの頃のぶどうの味がした気がする。

久しぶりに食べると「ぶどうの味はこうである」と脳の深いところから呼び起こされるかんじがあり、鮮烈なものだった。これを食べるまでぶどうの食感をリアルに思い出すことは出来なかったから一粒の情報量が多くて驚いた。

じゅわっとしてみずみずしく、ぶどうジュースよりも甘酸っぱくて爽やかで奥行がある。ぶどうってそういうものらしい。こうやって書いていてもそのうちこの記憶の鮮やかさを忘れるんだろうな。悔しい。

ちょっと凝ったこともしてみたくて数粒凍らせてもみた。凍ったぶどうは甘さが控えめでシャクッと割るとすっきりと澄んだ味がする。シャクシャクのぶどうもまた美味しい。フルーツというのは甘味を有難がるべきものなのかもしれないが凍ったフルーツの生命感ある澄んだ味もいいものだ。

 

昨日、もらったぶどうを一房ずつその場のスタッフに分けたが、なんだかもったいなくて自分用にとっていたぶどうを軸を外して洗って水に漬けたのをそのまま職場の冷蔵庫に入れておいて今日さらに少しづつスタッフに振舞った。

ぶどうのいいところはひと房が20個くらいに分けられることでもある。1個のフルーツをみんなで分けて「おおお〜」などと言いながら少し暇ができる度に代わる代わる冷蔵庫のぶどうを食べながら労働した。疲れた時に2~3粒食べると良い休憩具合だし、なかなか水分が多いのでいつ飲んでも変わらない味のペットボトルの飲み物を飲むよりも嗜好性のある水分補給が出来てなんだかラグジュアリーな気持ちになる。

こうして瞬く間にわたしの一房のぶどうは消えていった。

食べる時に各々ぶどうにまつわる話をできるのもよかった。「このぶどうはなかなか北海道では食べる機会がないらしいですよ」「へぇ、なんでなんだろ。調べてみよう」とかそういう他愛もないものだけど一口二口食べるだけでこういう話が出来るのはなかなかに凄いんじゃないだろうか。これぞぶどうパワーである。

他のフルーツだとどうしても各々でそれぞれ1単位ずつ食べることが多く共感性のある楽しみ方ができなかったり(苺とかね)、バナナは持ち帰りに便利過ぎて同じ場でたべることがなかったり、みかんは1単位に10個くらいの粒がある訳だがそれらをちみちみと分け合おうとはあまりならないのでこれも各々持ち帰ることが多い。

その点においてぶどうというのは、ひとつのお菓子をパーティー開けして同じものを一緒に食べる楽しさに近い楽しみ方ができる。

カットフルーツみたいな詰め合わせだとそもそも1人で食べることが多いし、1人で食べるにしてもなんだか味の配分とか考えてしまってあまりにも各フルーツに対しての敬意を持てないしさ。

 

ぶどうをもらっただけでこんなにも語ることないだろと思うかもしれんが、私が敬愛してやまない長野まゆみの「夜啼く鳥は夢をみた」という本で祖母のいる家に避暑に来た少年である主人公が噎せ返るほどの夏の暑さの中でいつも祖母が冷やしてくれているきりりと冷えた水蜜桃を食む描写があってね、「物語の中だからそんなに美味そうに書いてんだろ」とか思ってたんですが確かにそのくらい鮮烈な美味さがあるし、なによりいつでも冷えた水蜜桃があってそれをなんでもないように口にすることが出来る有り難さを考えると相当寵愛されて育っているんじゃないかと思ったんですよ。 

長野まゆみ氏の小説では大人の存在が意図的に描かれないのでただ「祖母がいる」としか書いておらず物語に一切出てこないんですけどね、きっと寵愛していたはずです。

 

そんな有り難いフルーツのお話でした。

重ね重ねありがとうございます。改めてお礼をさせていただきたいものです。

1冊は好きな新書を己の手で掴み取りたいよね

店頭が日々それなりに忙しかったりめちゃヒマだったりするんだけど、スタッフに「おすすめの本教えてくださいよ」と言われて、「しかし君の方が読書量多いやんけ!」などとやりとりをしており「新書って誰も知見ないよね」という話になった。

確かに当店スタッフは古典、純文学、何らかの賞を取った文学、ミステリ、など様々な分野に知見のある人が多い。一方でわたしはどれも全然である。

なんてこったい!誰も新書読まんやんけ。

考えてみたら新書って「わたしはこのジャンルや著者に興味があるんだ」という人しか手に取らず、わたしなどは大学在学時「なんか教科書の副読本だね」という程度の気持ちだった。なんなら読むのが辛くて忌まわしい種類の本だったな。

しかし時たま「あっ面白そうじゃん」と思って仕入れの際に見たり、休日に他店の観察をしている時に「なにこれ良いじゃん」と思って手に取ることが増えた。

とはいえ「わたしは新書を読んでいる人間です」と言い切るレベルではないが。

まあでも多分みんなあまり手に取らないから相対的に「新書をよく読んでいます」と言ってもいいんじゃないかなとも思ってきた。だから自分なりの新書を選ぶコツを記しておけば誰かが新たな知を手に入れることもあるかもしれないしさ、そう言う気持ちで選ぶコツを自分なりの根拠を述べつつ記してみるよ。

 

▧著者が小説も書いている

わたしが思う新書のつまらなさに「ただただちょっと読みやすい論文みたいな文である」というのがある。

著者が言いたいテーマについてはめちゃくちゃ興味があるのに、栄養価が高いだけの味のない飯を食わされているような気持ちになるというのが感覚として近い。

で、新書とはそういうインテリジェンスな存在でも良いのだけどいきなりインテリジェンスに近づくと小説で慣れているわたしたちはイヒィ〜ンとなるのでなるべく著者名を見て「あの小説書いてる人だな」というのが浮かぶ人だと超良いです。「マチネの終わりに」を読める人なら平野啓一郎とかを選べばいいし、なんか小川洋子もちらっと新書出してたと思います。

小説を書く人の新書は、新書自体の簡潔さを持ちながらもちゃんとちょっとしたオチや盛り上がるヤマを作っていたり、一段落の量がちょ〜うどいいんです。

 

▧目次に興味が湧くやつが2~3項目ある

わたしは読んでいるうちに「クソつまんねぇわ。や〜めた」ってなることありがちなんだけど、

大抵が

・著者が述べたいことについての思想が合わない

・自分語りの部分の年代がわたしと合わなくてつまらなくなる

・あまりにも無機質すぎてつまらなくなる

みたいなかんじ。なので買う時は目次を読むようにしている。うす〜く「まあ…気になるテーマではあるが…」と思う程度なら買わないけど、その気になるテーマを自分が好きなワードチョイスでまとめてあるものが2~3個あればかなり良い。それで選んだ岡田尊司著「死に至る病 あなたを蝕む愛着障害の脅威」を今読んでいる。これは当たりだった。

 

▧ひと項目読んで次読みたくなる

新書というのは長い箇条書きの本だなと思っている。で、その1箇条が自分が読書したいなというタイミングで読んでみてしんどくないかを試す。アホほど売れたんだけど、堀江貴文の新書を見てみてほしい。堀江貴文本人に対する是非はあろうがあらすじも簡潔で、1~2箇条を読むのに恐ろしいほど時間がかからない。かといって面白くないわけではない。

個人的には堀江氏は新書を出す度に自身のご尊顔を2/3くらいのサイズで表紙に載せるので「やめてくれや」と思っているがこのちょうどいい塩梅の文才はかなり認めている。

 

▧(これはオフレコだが)新書の整理番号が900~1000である

後半であれば後半であるほど最近に出たもので字が視覚的に見やすいのはさることながら内容も現代に即したものになっているのでちゃんと身近な話を読める。番号が1とか2だとオールドな世代から見た昨今の話や展望を述べられているので「残念ながら世界はお前の思うようにはならなかったよ」と思いながらそっと本を閉じることになる。

なんでオフレコかというとあんまり当店に在庫がないからだ。悔しい。

 

▧装丁が他のと違う

簡単に言うと横の新書と違う色をしているやつの話をしているんだが、その新書の外装カバーをさ、ちょっとめくってごらんよ。もう1枚外装カバーがついていないかい?

それは一番手前のカバーは実は「全帯」というやつで「売れてるから気合い入れたろ!」とか「このタイトルなら目立たせたら超売れるやろ!」という出版社の気合いの入り具合のようなものだ。つまり面白さ折り紙つきということですな。興味あるジャンルなら是非手に取ることをおすすめするよ。

 

▧推しの出版社を探す

わたしはイースト新書Qシリーズが好きです。なぜかというと賢いお子様でも読めそうというくらいの平易さと行間とカバーデザインの良さ(新書にしてはめちゃくちゃかわいい)があるからです。ゆうてあまり冊数出てないんですけどね。もっと出してほしい。「よくわかる思考実験」がバチバチにいい。猫についての本もあったはずです。あとカレーについてのやつもあってそれが少し気になっています。

あと講談社現代新書だったかなあ。色のついた四角が題名と著者名の間にあるやつ。あれはタイトルに目を引くものが多いのでチマチマ見ています。前に挙げた平野啓一郎の新書たしかこの出版社です。

理系ならやっぱりブルーバックスでしょうかね。文系としては頭のいい人間になんとかギリわかるかなというぐらいのレベルで辛いですが、内容が良いことはわかる。

 

このくらいでしょうか。

あ、あと「スマホ脳」は買うとか買わないとかではなくページをめくってみて欲しいと思います。文字で書いてあるのに「それは図です」というかんじのやつが最序盤にあり、しかし視覚に訴える本として画期的で面白いなあと思います。思想の解釈が一致しないので「それは違くない?」となり読破出来ませんでしたが普通に小説とか書いてみてくんねぇかな。多分円城塔みたいな風味になると思うからさ。

 

どう?少しは参考になる?うちに限らず本屋の新書コーナー見てみたくなった?

みなさんも面白かった新書とか「こう選んだらいい新書ゲットできた」などあれば是非教えてね。

アサーションやろうよ!!!

「食べ物がその人の体をつくる」と時々言うけれども、それと同じで「経験がその人の精神をつくる」と思う。

 

大学生の頃に学費を捻出するためにいわゆる夜の街で水商売を少しやっていたのだけど、別にわたし自体はずば抜けて綺麗だったりかわいかったりスタイルが良かったりはしない。なのであの煌びやかな世界で生きていくのにものすごく苦労した。

飲み屋にくるお客さんというのは基本的に高い金を払ってまでハメを外しにくるもんだから、どこかにえげつないヤバさを持っている。ちょっとした態度に一般的な接客業にいるようなクレーマーの一部を見ることもよくある。

その中で大体の本質は「甘やかしてほしい」と望んでいることがほとんどだと思った。ヤバさも受け止めてよ、みたいな。

そういうのを会話から見極めていたら別にふつうの人間だけど結果的にそこそこの地位を得ていたことがある。

 

例えばこの「甘やかされたい」は「たまには甘やかされたい」という短期的なものなのか「ここに来れば安心して甘やかしてもらえるぞという場所がほしい」という長期的なものなのか。

また、その簡易的な甘やかしは「信頼感がほしい」なのか「自分だけを見ていてほしい独占欲」なのか「ひたすら安心感がほしい」なのかとか。

それと「共有」「尊敬」「仲間意識」のどれでそれらを摂取したいかというのもある。

 

そんなのを会話をしながら探っていく。大体30分くらいで強い要望(指名とかボトル入れるとか)がなければ別の女の人と変えられてしまうので最初15分でなんとなく傾向を見て5分で探り、残りの10分で「あなたのことをわたしだけがわかっていますよ。このまま帰すには惜しいでしょう。」と核心をついていくというようなかんじ。

 

で、ヤ〇ザとかどうみてもマルチでしょとか下ネタしか言わないおじさんとか飲み屋に来ておいて一言も喋らないお客さんなどを相手しつつ、昼間も働いていたのでふとその話し方をやってみたら「あれ?別にこの探り方で普通のお客さんのこともわかるな」と思ったので水商売以外で接する色んな人がわたしに求めるもの(わたしに甘やかして欲しい部分)について改めて整理した。

 

大体は

・才能がある人間を排出したという証が欲しい

・誰でもいいけど辛い自分を認めて愛してほしい

win-winの関係でありたい(自分の方が得をした状態でいたいけど、客観的に見てそういう証拠を残したくない)

・関係性が薄く、期待するものもないので無難な関係でいたい

・褒められたい、興味を持たれたいがために会話を壁打ちのように仕掛けてくるタイプ

みたいなところだ。分類が済むととてもいい意味で諦めがつく。相手が不満そうにしていたら欲求に沿うリアクションをしたらいいのだから、他人からの印象を必要以上に不安がることがなくなった。

基本的にわたしはふざけているのだけど、自分の心にあそびを作るためというのもあるが真面目に接している中でいきなり「お前の欲求どストライク!」みたいなリアクションを仕掛けるとあからさま過ぎるので、たまたま冴えてただけですよという体を取るためでもある。

 

そんなのはどうでもよくてさ。

どうせなら他人のことをこういう風に分類して楽になりたくない?という提案なんだよね。知りたくない人はもう読まなくていいです。

 

まずは「知りたい他人を無限に喋らせるフェーズをつくる」ことと、話の舵を取るのは自分という状態をつくることから始まる。

「そういえば今までサシで話すことあまりなかったですよね」とか「この前〇〇さんの話になったけどわたし全然知らないなあと思って」とか、ちょっとした変わり種だと「今朝飲み物これとこれで迷って両方買ってしまったんですけどこんなに飲めるわけないので好きな方飲んでください!というか迷った時って何を決定打にしたらいいと思います?」とか。

そんなんを話すとあなたに興味のベクトルが向いていますよというのが結構無意識に近いところに差し込めるので勝手に喋ってくれます。

その会話を全部丹念に聞き取る必要はなくて、一文の中のひと単語を「へぇ〜、〇〇ですか!あんまり聞いたことないなそれは。」とか要約して「△△ってことですか?え?あー、それなら□□って言う方が近いですかね」と考え方が合っているのか確かめつつ話を意欲的に聞いていますよという姿勢をとっていればずっと喋っています。

こういうのをアサーションって言うらしいですよ。昔「アサーション上手いね!」って言われて知りました。

 

で、ずっと喋らせたままというのも別につまらないので「あー。だから〇〇に詳しいんですね。初めて知ったなあ。」とかですこーし話の方向を曲げたりする。

色々曲げていると、なんとなく「話したくなさそうなこと」だったり「特にわたしにしたい話なんだな」というのが見えてくるはずです。というかそういうのを気にして聞いてみてほしい。

話したくなさそうなことはしれっとまた話を曲げればいいし、自分に話したそうなことは「よく言ってますもんね。めっちゃ覚えてます。」などと言えばマイナスな印象にもならないよ。

 

そんなふうに何回か話しているとその人が「わざわざわたしに話したいと思うこと」が増えてきたりする。

その種類を分別することで相手が自分に期待することが大体わかるんですよ。

とはいえそうやって相手から話してきてくれる時点である程度親交の度合いが高まっているのでその人ひとりであればグングン仲良くなることも出来ます。しかし自分が嫌な期待のされ方をする人とわざわざ話す義理はないので、そこまでで別に距離を取ってそこそこの付き合いをしてもいいと思う。

しかし嫌いな人にでも一度やってみたら面白いですよ。「この人はわたしにこういうのを期待しているからそこが嫌いなんだな」とか「これ系の話しときゃ無難でしょ」というのがわかるので少し時間を無駄にしてもアサーションを試みた方が結果的に楽です。

あと「わたしは」ですが、ネチネチ嫌味言ってくる嫌いな人にこれを試みてみたら「仲良くない人間に優しくする義理もねぇから勝手にしてたけど、めっちゃ趣味合うことが発覚して大切にしてもらえるようになった」という例もあります。わたしがゲボほどメンタル沈んだ時も、その人がメンタルゲボになった時もお互い諌めたり励ましたりがバランス良くできて良かったです。

それと、嫌いな人でも放置しておいてほんの少し雰囲気が変わったなという事があればまたやるといいです。多分自分に求める種類の欲求が変わっているので、自分にとって辛くないなという欲求に変わった時に交友を深めるといい関係が作れます。

 

機械的だったとしてもそういうのが割とすんなり出来るようになると結構誰とでも仲良くなれるもんです。

なので「マジでこの人わかんねえわ」という人以外とはめちゃくちゃ距離が近いです。上司であれ、どこから来たのかわからんけどよく見るお客さんであれ、大体はこのような解析が少しは出来ているので地雷を踏まない限りの距離でべらぼうに近づいてるみたいなかんじ。

とにかく「話させて」「傾向を掴む」ことです。

これの発展としては会話としてはおかしくないけど変な言葉選びだなというのがあれば、その時に出てきた言葉をわざわざ使う場面をめっちゃシミュレーションしたりします。それで考え方の偏りがわかったりもするので地雷回避の精度がより上がったりするよ。

 

なんかこういうのをさあ、デモンストレーションとしてやりたいけど前に少しやってみたら「えっこわ!占いじゃん!?」ってなったので披露することは稀です。

まあでも面白いから皆やんなよ。人間の精神って思ったよりメカメカしくてバグだらけだなと気付けるし、なんか凄い人の「なんか」の部分にも気付けるよ。

ぽよ水の好きなものほぼ全部

アチ-。何も書く気がしませんが、それはそれで文章を書く習慣をなくしてしまいそうなのでもうひたすら好きなものと簡単にその理由を挙げていこうとおもう。

なんかそのくらいしか無理。アチ-からね。

 

・好きな食べ物

食べ物というか、素材が好きだ。主にバジルと紫蘇。トマトとコーンも好き。

香りのするものと果肉を感じる野菜の「え?美味しいのに野菜枠でいいの?」というやつがいいのだ。

 

・好きな酒や飲み物

アルコール味を感じるものはさほど好きではないが酔ってハイになる時のかんじが好きなのでそれなりに飲んだりする。「ハァ?」と思われるので空気を読んで注文しないがウイスキーの烏龍茶割が好きです。ウイスキーのギュ-ンとしたアルコール味がなくなって飲みやすいし酔うのにちょうどいい度数なので。

飲み物については純粋な美味しさよりも「レアリティ」を重視して買ってしまうことが多い。至高はヤクルトのレモリアだ。あんまり売ってない。薄いレモン水にスーッとする何かが入っている飲み物で、ファイナルファンタジーの「ポーション」が現実にあったならばこういう味だろうと思っている。ジャワティーも好き。烏龍茶くらい味の濃い(渋みのある)無糖紅茶です。これもあんまりない。みかけると買ってしまう。

 

・好きな季節

秋が好きです。陽が紅葉を通して黄金に見えるのが良い。虫のサウンドもいいよね。あとうすら暑いよりうすら寒い方が好きなので。夏は辛い。冬は歩きづらいのと雪で細くなった道を譲り合って歩かなきゃいけないのであんまり。

 

・好きな水の温度

1桁台がいい。シャワーから出てきてギャッとなるのも楽しいし(冬でもウヒ-とか言いながら冷水を浴びることがある)、水道からそのような温度が出てくると無料でこんなにきんと冷たい水を飲んでいいんですか?と思う。

 

・好きな旅行先

京都。コンビニ感覚(またはセーブポイント感覚)で神社があって良い。大阪ほどのダイナミックさというよりも全てが細々としており、好きだ。創作物や物を作る人を大切に扱う土台があるのも良い。たしか京都駅のすぐ近くに坊主バーというボタニカルな酒を振舞ってくれる飲み屋さんがあるのだがいつか行きたい。

 

・好きな紙

レザックという革を模した紙が好き。この紙が好きすぎて紙を扱う職に就いていたときに営業の方にめちゃくちゃ問い合わせしまくったところ、レザックという名前の後についている2桁の数字はそのレザックが作られた年だと聞いてそれが良すぎてブチ切れそうになった。濃茶のレザックは本当に皮革なのでは?と思うくらいのクオリティ。

クッソ高いけどヴィベールとかも好きです。ふわふわしている紙で緑なんかはジオラマの芝生に使えそうなかんじ。

手に入りやすい紙だとわら半紙(小学校のプリントの紙)とか玉しきが好きです。

 

・好きな筆記用具

シャープペンシルだとパイロットのコクーン(万年筆を模したシャープ)が好き。いちいち書き始めにキャップを取ってカチッとはめる作業が必要になるんだけど、そのカチッの音を聞くと「さあ書くぞ」とスイッチが入るので良い。あと高いシャープは製図用になりがちなんだけど、これはそういう方向ではない珍しいシャープなのでそこも推せる。スーツにも合うデザインだし、贈り物にもいい値段なので全人類におすすめしたい。

ボールペンだと三菱のユニボールが好きです。水性の線が太いボールペンで使ってみるとあまりボールペンみがない書き心地。かつ万年筆のような色ムラのある文字が書けるのでこれの青なんかは雨だれのような風情ある文字になる。お手紙とかをこれで書くとサッサッと書いたところと言葉を選んでゆっくり書いたところでインクの濃さが変わるのでとってもいいですよ。

 

・好きな研磨剤

物を磨くのが好きなことにここ数年で気付いた。プラスチックと金属は大体同じもので磨ける。タミヤコンパウンドの仕上げ目はかなり重宝している。多分手軽に買える研磨剤の中では最も細かい目だと思う。ティッシュに少量なすりつけて黄ばんだプラスチックなどをくるくるこするとびっくりするほど綺麗になる。シンクなども激落ちくんでこすってからこれをなすりつけるとキラッキラになる。

ピカールも安くてどこでも手に入るので好きなのだけど、それよりもきれいになるのでどの職場でも少しヒマになるとすぐコンパウンドで掃除している。

 

・好きな話題

知らんことを延々と聞くのが好き。あと一通りその知らん話を聞いたあとで「それってこうなんじゃないか」と一緒に考えてあーでもないこーでもないと広げられると至福です。

 

・好きな本

小川洋子の「薬指の標本」が好きです。いつも言ってる、これ。

静謐でエロさはなくて、しかし癖(ヘキ)があって最後がはっきりと明示されないみたいな作品。小川洋子だと「余白の愛」も似た風味の良さがありました。

あとは長野まゆみの「夜啼く鳥は夢を見た」もいいです。真夏の蒸し暑さと対比させた果物のきりっとした冷たさや夜の涼しさ、これも最後は文字としてははっきり書いていなくてしかし確実に「そう」なっただろうねという終わり方で良いです。ずっと夢の中みたいな小説。

 

・好きな映画

千と千尋の神隠しです。民俗学的な雰囲気がね、いいですよね。あとあまりにも語られないキャラが多くてそれも良いなって。キャラの中ではエレベーターの中に千尋を匿ってくれる大根の神様みたいなやつが一番好きです。キュッキュッとかわいい足音なんですよ。やっぱり大根だから触り心地はひんやりしているんでしょうかね。

 

・好きな匂い

お香屋さんの様々が入り交じった匂いや、LUSHの様々が入り交じった匂いが好きです。あんなに匂いがするのにあの空間を出たら己にまるで匂いが残らないところがどことなく幻想的でいいなと思う。

 

・好きな色

紙がヤケた色が好きです。こんがりと端がヤケてトーストみたいになっている本の良さよ。

折り紙だと濃い群青色が好きです。濃過ぎて電気の光を反射するかんじが良い。あの濃さで臙脂色とかもあってほしい。

 

・好きなキャラ

ミッフィーが狂おしいほど好き。ミッフィーに出てくるゾウのぬいぐるみを持っているんだけど、それの正面顔が好きです。最近大人でも持ちやすい薄い色味のミッフィーグッズが色々出ているけど北欧感のあるトラディショナルな色味のミッフィーグッズが好き。

 

・好きな収集物

ぬいぐるみ。「そんなもののぬいぐるみあるの!?」とか「それは…なんのぬいぐるみなの?」というぬいぐるみが好きです。お気に入りはロブスターのもちもちしたぬいぐるみとケモケモしたカニのぬいぐるみ。なんのぬいぐるみかわからないやつはピンク色のサル…か…犬…みたいな…ぬいぐるみを気に入っています(サルか犬、と判断したのは色んな人に「これは何か」と聞きまくったところこのふたつが多かったからです)。

 

・好きな習慣

他人にプレゼントをするという行為が好きです。無難なところだと似合いそうな靴下だとか、ペンだとか、小さなアクセサリーだとか。そういうのをうんうん言いながら選んで家でラッピングして渡すまでがワンセット。

気持ち的にはどうぶつの森で住人が軽率に家具くれたりするアレと同じかんじと思ってください。

 

・好きな服

和服とかチャイナ服っぽい服とかそういうなんらかの民族みたいな服が好きです。あと「それどこで売ってるの?」というデザインのTシャツとか。ボタンやファスナーやポケットがこれでもかというほどついている服も良い。

 

・好きな植物

ホトケノザとかキタコブシとかそういう木の枝から突然デカ花が生えてるみたいなやつが好きです。

ビカクシダとかアジアンタムみたいな変な形の葉っぱが生える植物も好きだなあ。

雑草だとコジカギクが好きすぎて食えるのかわからないのに食べたことがあります。薄いレモンみと草のエグみがありました…

 

・好きなメイク用品

アイシャドウが好きであまり化粧をしないのについ買ってしまう。まぶたを好きな色にしていいって凄いことだなと思う。他のメイク用品はなんというか好きな色をのせてもさして目立たなかったり、そもそも好きな色を塗るというものではなかったりするのでやはりアイシャドウが一番好き。

 

・好きな国

海外に行ったことはないのだが、フランスの蚤の市に行きたくて第二外国語はフランス語をとっていた。女性名詞男性名詞が感覚的に判断出来なくてその違和感でやめたけれども。あといかにも華々しいかんじの中国は好きです。横浜中華街に連泊したくらい好き。中国行ったら多分油で腹下すだろうから中華街くらいがちょうどいいのだと思うけど。

 

・好きなポケモン

基本的にエスパーかゴーストタイプが好き。シンボラーが好きすぎてLv100のシンボラーで無双していました。ポケカシンボラーがニッコニコでかわいい。ネンドールも何考えてるかわからなくていい。デカくてロストテクノロジー感のある神々しいポケモンが好きなんだな。ポケセンにグッズがなくてさみしい。シャンデラくらい流行ってほしい。どうかお願いします。

ドダイトスも好きです。自然が歩いてるみたいな感じが良い。レジ系はなぜかそこまででもない。デカそうに見えないからかも。ホエルオーもデカくてかわいい。

 

・好きなゲーム

MOTHERシリーズ(初代以外の2作をやった)と摩訶摩訶ゼノギアス女神転生クロノ・トリガードラクエだと幻の大地エデンの戦士たちファイナルファンタジーだと6(ケフカのやつ)と8(スコールのやつ)。重ためな鬱々とした部分のあるRPGが好きです。

あ、ゼルダの伝説時のオカリナも好きです。ムジュラは時間制限で絶対焦るのでやってない。やってないシリーズだとクーロンズゲートとかムーンライトシンドロームとかも好きですねえ。やっぱり鬱。

 

・好きなアンパンマンキャラ

SLマンとドキンちゃん。いや、あの、知ってます?ドキンちゃんの歌。なんとも身勝手で可愛らしいテーマソングがあるんですが、SLマンのグッズ目当てにアンパンマンミュージアム行ったらその曲をドキンちゃんが踊っていて「あ〜あ!もう世界はお前のモンだよ!」と思うくらいかわいかったので推しています。SLマンは生態がわかんないから好き。ウンコとかすんのかな。石炭みたいなウンコしそう。わかんないけど。

 

・好きなアーティスト

平沢進。あれは宗教。本当に生きてるのか心配になってライブに生存確認の為に行っている。思想は過激すぎてさほど好きでもないのだけど、あのトンチキな音楽を作り出すための部品として受け止めています。好きな曲はTimeLineの東とtravelaterと暗黒πドゥアイとBig Brother

椎名林檎。初期の。いくつ歳をとっても17〜18の頃の椎名林檎の歳にさえ追いつける気がしない。浴室とか少女ロボットとかが好き。

倉橋ヨエコも好き。復活するってね。休止してから聞き始めてほぼ全曲履修してしまったから嬉しいよ〜。倉橋ヨエコはアホほど暗い歌もめっちゃニコニコしながら歌うのでその具合が好き。どれも好きだけど明るいやつだとアンドーナツとか良い。夜中に突然アンドーナツが好きな恋人の為にいちからアンドーナツを捏ねて作る話。あっ、椿荘のレトロみもいいですよう。白い旗の静かな絶望も良い。本当に良い。

他はやや異色なやつだと相対性理論もいい。涼しげでちょっと諦めてて、でもちょっとこじらせている。ロンリープラネットとか地獄先生が好き。

 

・好きな素材

木と革。くたびれていく様が良しとされているのが良い。今使ってるお財布はバーコというメーカーの革に木が縫い付けられているやつ。

 

・好きなお土産

ご当地キーホルダーか豆本キーホルダー。いくつあっても嵩張らないし、この地に異なる土地のものが存在するという違和感がいい。

 

・好きな単語

のべつまくなし。なんかなんとなく浮かんだので。

ふつうに生きる分にはセレクトしなさそうな単語が会話にスッと出てきた時にオオーッとなるよね。

 

・好きなYouTuber

Calm ASMRをよく聞いている。静かにごっこ遊びしている大人が15分くらい見られます。ASMRでエロが要らねえのよとか音が忙しなさすぎる!と思った人は一度聞いてみてほしい。

ココローナASMR。同じくASMRだけどずんだもんが読み聞かせしてくれるやつと認知シャッフル睡眠法のやつはマジで寝られる。もちろん非エロ。

犬パスタ(川崎)の「陶芸家」シリーズのゲーム実況。川崎ちゃんが面白すぎる。いい大人が癇癪起こしたりぐずったりする様を見るのは楽しい。

バーチャルおばあちゃんのゲーム実況。どれがとかではないけどキャラクリ上手いしババアキャラの出来上がり具合が凄い。

ロウアイキューのお料理動画。かわいい。

劇団かいばしらの映画紹介。ネタバレしないような紹介の仕方やまとめ方が本当に上手い。カルト映画や胸糞やグロ映画、B級映画に興味ある人は見てほしい……!

 

好きなものというのはこんなものかな…他に好きな物の種類が浮かばない。

これがわたしのほぼ全てですな。

こいつのこの部分好きかも〜と思ったら適宜参照して趣味の水域を広げてみてくださいまし!特に好きなものを並べたので全然他にも「そこそこ好き」とか「手をつけられてないけど確実に好き」みたいなものも色々あるのでお気軽に聞いてくれて構わないよ。

それではアチ-ので寝ます。寝て誤魔化します。ほなさいなら!!