夢の中コーヒースタンド

悪夢にうなされた

とりあえず内容を書こうと思う

リアリティがそれなりにあるので

-----

 

わたしともう1人のバイトが客数が2~3組くらいのゆるりとした店でほぼ同時期くらいに働くことになった。ログハウスのような作りで、天井には空気をまわすファンみたいなやつがついている。6名掛けのテーブルが2つと窓に面したようにおひとり様の席が4席あった。しかし滅多に複数組のお客さんが来ないので席を案内することもなく、お客さんも勝手にもう座ってるわァみたいな店だった。

今日は何日目かの勤務でお客さんは電気ポットから直で入れる「ブレンド」と冷蔵庫にしまってある各種のありふれた「ケーキ」しか注文しない。メニューは4ページくらいあるのに……そういう店らしい。単に美味しくないのか、常連さんの注文が洗練されていってそうなっているのかは知らん。

ブレンド」は最初の1杯を紙コップに注いで出す。紙コップの7~8分目くらいが目安で、大体みなさんお代わりされるのでわたしは8~9分目くらいまでいれて「気が利いているでしょう!(フフン)」と思っていた。

で、営業日ではあるものの客数がゼロになりわたしと新人バイトと、店長の3人がいたのだが、店長が車で少し出てくるとのことだった。

「んま、みんなブレンドしか頼まないから大丈夫」と言い残してほとんどの対応がわからない我々新人バイトを置いて店長は外出した。

 

店長が外出して割とすぐに「常連ではないけどなにか知ってそう」というかんじの奥様×2名がなにやら話しながら来た。

ドカドカと6人がけの席に荷物を広げながら座ってやはり「ブレンド」を指さすので、それくらい発声しろよと思いつつ「かしこまりました〜すぐにお持ちします」と残し「ブレンド」が出る電気ポットからたぷたぷに「ブレンド」を用意する。電気ポットから出すだけなのでポット内に出来上がった「ブレンド」があるのかなあとぼんやり思う。

この婦人たちに出す分はかろうじてとれそうだが、あれ……次1杯出せないな。ちょうど婦人たちの分で尽きそうである。どうやって補充すんの?これ。

 

アアアア!!!客、これ以上来るな!!!!

というか婦人たちがおかわりするまでにアチアチのブレンドを電気ポットに溜めておかなければならない。やばいまずい。

 

一瞬婦人たちにコーヒーを提供する前にコーヒーの素を探し始めてしまい、「いや、それよりこれ出さなきゃ」とジタバタしながら「ブレンド」を出した。

「お待たせ致しました、こちらブレンドでございます。お代わりは後ろにございますポットからセルフでお飲み頂けますのでどうぞご利用ください。」とペラペラと言い慣れた言葉を言う。しかし「後ろにございますポット」は空である。まずい。

提供が遅くなったからなのか訝しげな顔で見られつつ、その場を離れるとなにやらヒソヒソ話し合っていて飲食店としてやばいのではと思うがそんなことよりも新しい「ブレンド」をどう作るかである。

棚を引っ掻き回し、まず初めにタッパーに入れてあるのでよくわからんけれども確実にお茶っ葉(玄米茶っぽい)が見つかったので雑に厨房に出しておいた。コーヒーが本当に万が一見当たらなかったらなんとかお茶で勘弁願えないか、ということと一応お茶もメニューにあるのでもしそれの注文が入ったらと思って一番小さい雪平鍋を取り出しそれにとりあえず入れてみた。水は注いでないのでまだ後戻りできる。

幸いにもご婦人たちに先程大量にコーヒーを注いだのでまだ時間の猶予はある。

 

厨房の据え付けられた扉をがっちゃんばったんしていると、もう1人の新人バイトがすごい速度でメニュー片手にやってきて「すみません!これの作り方わかりますか!」と質問してきた。他にもお客さんが来たらしい。それはそうと、我はお主とさして勤務経験の変わらぬ新人ぞ。

見てみるとパイだった。パイだと!??!?とりあえずパイは冷蔵庫にあるようなものではなかった。

そもそも店長から「パ」も「イ」も聞いたことがない。ふたつも探さなきゃいけないものが出来て頭がちぎれそうだった。その新人バイトには申し訳ないけど、コーヒーを優先してガチャバタとまた引っ掻き回してブレンドっぽいものを探した。

その中でその新人バイトは「あっ、ていうかマニュアルありますよね!マニュアル探そう!」と言って問題解決への懸命に糸口を見つけようとしていた。聡いね。

で、わたしの「ブレンド」の方は雪平鍋に玄米茶のティーパックを2つぶち込んでそのままにしていたのを忘れてかろうじて見つけたコーヒーの素(これはお客さんに提供する用なのかわからんなというスーパーの激安の顆粒を溶かすタイプのインスタントコーヒー)をぶち込み蛇口から水を捻り取り直火にかけようとしていた。

一方で新人バイトの彼女はどこから発見出来たのか「マニュアル」入のファイルを携えていたが、マニュアルなどあまり使わないくらいの小さな店であったためそのファイルはマニュアルと店に導入している家電の取り扱い説明書とよくわからんレシートや走り書きが一緒に挟めてあり、熱心にその中から「パイの作り方」を探すターンに入っている。

我々は必死だ。

 

すると突然「え!?何してるの……」というデカい声がして私たちが振り向いたら呆然自失としている店長がデカい買い物袋をふたつ携えて厨房入口に立っていた。

各々の大事件を報告して

「あの、あなた(わたし)はね、なんで玄米茶とコーヒーの粉が鍋に入っているの……?ブレンドを作ろうと…?…なんかその、本来なら減ってきたらお客さんがいない間に電気ポットに粉を入れて水入れて沸かしておくものだよ……今は仕方ないからこれから沸かすなら出来上がるまで時間がかかると張り紙しておけばいいし……それはマニュアルに書いてあるよ……」

「で、、あなたは?え?パイ?年一で注文入るか入らないかなのにまさか今日?え?今?注文受けちゃった?

パイの作り方〜は〜……俺の娘が考案したものだからマニュアルに載せてなくて……ハァ、いいです。」と落胆していた。

 

ふと落胆している店長よりさっきから全く音がしないホールが気になった。誰もまだ金を払ってないのにこの静かさは……

まあふつうはバイトが2人いたらどちらかはホール見てるものだというのに2人して厨房で本気の探しものをしていたのでその、お客さん達は……もう……

 

夢の記憶はここまででついにいたたまれなくなって目が覚めました。

なんでこんなにリアルなんだろう。飲食未経験なのに。やめてくれや。

起きてからめちゃくちゃ胃が痛いです。